こんにちは。コーチの橋本です。
今日は空気遠近法と透視図法について話をしようと思います。
アートジムに通われている皆さんは講評でよく空気遠近法の話を聞くのではないでしょうか。
白い紙であれば、ものが奥に配置されるに連れ色も背景の白に近づいていく、というものですね。湿度の高い日本では特にこの遠近法は馴染み深く浸透しやすい考え方であるように感じます。
もう1つ遠近感を出したい時に「パース」といった概念を利用することがあります。これが透視図法になります。5月の月間テーマは「パース」だったので苦戦した方も多いのではないでしょうか。
実は日本には江戸時代後期(開国後)まで透視図法の考え方は浸透していませんでした。透視図法という技法は西洋から輸入されています。しかも日本が開国する数百年も前に建築家によって発見されています。もしかすると「あれ?ものって整列してると奥に行くに連れてすぼまって見えね?」と気付いた勘の良い侍がいた可能性もありますが、調べた限り出てきませんでした。
ただ、今回言いたいのは「やっぱ西洋の技術には敵わねえや(><;)」ということではなく、日本は色の異なる平面の重なりによって奥行きを感じる環境に囲まれているので、空気遠近の意識が発達しやすかったのだろうということです。簡単に言えば遠くの山とか海とか空とか全部平べったく見えるからそれをベースにした遠近感で絵を描きたくなるよねってことになります。
日本は島国で狭く、山も多く起伏に富んだ環境なので尚更目に見える景色は重なり色が変わって見えたことだろうと思います。他の国であればまた違った、その国特有の遠近感が発達していたはずです。話を大袈裟にすると違う気体やガスで成り立つ惑星の生命体に地球の遠近法が通じるかは分かりません。だからきっとその星にはその星の遠近法があると思います。
地域単位でも感じる遠近感に違いがあるということは個人間でも少しずつ違っているのだろうと思います。
モチーフに限らず日常を観察していく中で自分好みの遠近感を把握してみると絵を描く要素を一つ抑えられるのではないでしょうか。
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